169、6月は、斎藤隆介月間?(2025,6,15)

理事長ブログ

【まずは姉たちと……】

・私的な話題になりますが、9、10日と、潮来、佐原に行ってきました。この二つの駅は、JR鹿島線で3駅しか離れておらず、10分余りの距離ですが、潮来は茨城県、佐原は千葉県、つまり互いに両県の県境に近い町なわけです。何度か書いたと思いますが、僕は6人兄弟の末っ子で、上の兄二人は亡くなり、一年に一度、姉3人(それぞれ秋田、仙台、横浜に在住)と僕とで集まります。今回は僕が計画しましたが、どちらにも行ったことがなく、一度行ってみたいと思っていました。

メインは潮来のあやめ祭りで、この時期ならではのわけですが、潮来はかつて1976年、協会の第1回「夏のゼミナール」が開催された所でもあります。協会の茨城支部がここに決めたのだと思います。

・僕はその2年前に会員にはなっていましたが、この「夏ゼミ」には参加できず、なんとなく心残りがありました。75周年記念資料集に、この時の募集広告が載っていて、それによると、講師陣には、古田足日、今江祥智、長崎源之助、斎藤隆介、上野瞭、砂田弘、小松崎進といった、錚々たる、そして懐かしい名前が並んでいます。1976年ですから、なんと50年前の話です。

・さて、旅の方ですが、一日目に潮来から少し先のホテルに泊まり、二日目の午前中に潮来のあやめ園を見て、佐原に移動しました。ここは、伊能忠敬記念館があるところで、それが主な目当てでしたが、もう一つ協会との縁としては、詩人の三越左千夫さんの出身地です。「三越左千夫少年詩賞」の三越さんです。市内に詩碑などがあることも知っていましたが、それを探すまでは考えていませんでした。

ところが、というか、伊能記念館を見た後、近くの「忠敬茶屋」という、大きな食堂に入ったのですが、中に売店があり、土産物などを売っています。そしたら、その中に三越さんの詩集もあり、さらにびっくりしたのは、協会編の『千葉県の童話』が2冊置いてあったことでした。これは協会の50周年記念出版として刊行されたもので、都道府県別になっていますが、もしかして今全国でこれを“売って”いるのは、ここだけかもしれません。びっくりしすぎて思いつきませんでしたが、1冊買っても良かったですね。

・僕はそこから埼玉の自宅に帰ったのですが、途中、千葉駅のいくつか手前ですが、四街道という駅を通りました。ここも懐かしい所で、かつて斎藤隆介さんが住んでいました。

【その四街道に】

・そして、これは金曜日、一昨日のことです。その四街道に向かいました。もちろん、というか、斎藤隆介さんは40年前に亡くなっていますが、そのご家族に用事があったのです。

というのは、これも以前に書きましたが、この9月から、僕が外部委員を務めるあきた文学資料館で、「斎藤隆介展」をします。そのご報告やら、隆介さんの写真をお借りできれば、といったことでした。奥様はご高齢で施設に入っておられ、お会いしたのはお嬢さんとそのお連れ合いですが、かつて四街道に行ったのは、隆介さんがご存命の頃ですから、50年は経っていなくても40数年ぶりということになります。

・いろいろお話をうかがっている最中に、人形劇団のプークから電話がかかってきました。プークでは、「八郎」など、いくつかの斎藤作品を劇化しているので、その公演の写真などお借りできないかと、何日か前に電話したのですが、その担当者からの電話でした。17日に、新宿のプークの劇場に赴いて、資料を見せてもらうことにしました。

【そして、わらび座にも】

・実は、四街道に行ったり、プークに連絡したのは、6月下旬に秋田に行って、9月からの斎藤隆介展の打ち合わせをするための準備でもあったのです。そして、この秋田行は、中学校の同期会(同学年4クラスという規模なので、クラス会ではなくて、同期を集めた催しになります)を兼ねてのことでした。「喜寿の同期会」で、僕の出身地は、秋田県仙北郡長野町というところですが、昭和の合併で中仙町に、平成の合併で大仙市になっています。そして、角館という町をはさんで、隣の隣という感じの所に、日本の伝統芸能をメインにした演奏やミュージカルを全国で公演しているわらび座があります。地元に自前で劇場や宿泊施設を持っており、そこが同期会の会場でもあるのです。そのことを知った時、これはちょうどいいと思いました。というのは、斎藤隆介は一時わらび座に在籍し(1950年代のことですが、脚本を書いたり、演出したり)、その時のことを調べたいと思っていたからです。(一つ付け加えれば、上記の「夏のゼミナール」を、このわらび座でやる、ということを、ほぼ決めたことがあったのですが、事情でそれは実現しませんでした。)

というような次第で、この6月は、僕にとっては、「斎藤隆介月間」という感じでしょうか。25日が理事会で、26日から秋田に出かけるので、次回のブログ更新は25日ではなく、何日か先になると思います。