YouTube動画「作家が作家にきいてみた」全文起こし2/3 ふたつ目の質問
こんにちは! 子どもと読書の委員会のYouTube動画、「作家が作家にきいてみた おでんの具はなにがいいですか?」の文字起こし、2回目です。
文字だけ見ても、おふたりのしゃべっている感じとか、テンションがわかる!
ながめているだけで楽しい感じになっていますので、ぜひご覧になってください。
残りはあと1回。おふたりのプロフィールなども次回に入っています。
●押川理佐×ほんまちひろ(聞き手)
●『ねこまるせんせいのおつきみ』(押川理佐・作 渡辺有一・絵 世界文化社)
※無断転載やご使用はご遠慮ください。
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ふたつめの質問
ホ:じゃあ、この絵本に出てくる「ねこまるせんせい」フルネームだと「とらじまオレンジ・ねこまる」先生が、ねこでいらっしゃって… かつ、先生でもあるという。楽しいなあと思うんですけども、ねこまる先生として、子ども園、「こざかなえん」で働くようになったきっかけなどがありましたら、教えてください。
オ:東京の杉並に、阿佐ヶ谷っていう場所があるんですよね、で、私、実家は世田谷だったんですけど、で、ねこまる先生、「ねこがや」出身っていうことになってまして。「ねこがや」っていう場所に、なんか、ねこがいっぱいいるんですよね。
そこが、子ども園をひらこうと思っているんだけれども、あんまり、ノウハウがない、と。それで、ちょっとこう、人間の世界で、見習いとして、保育園で修行をしてきたいな、ということで、ねこまる先生が、ひとり、がんばって働きに出かけた、と。そういう、一応、設定は、最初に、私のなかには、ございました。
ホ:それは、どこかにお書きに?
オ:うーん、あんまり、あの、そのときね、かなり細かく設定を。設定がすこしあったほうがいいですね、って最初に担当の方に言われて、ですよねっていって、ものっすごい細かい設定で、園長先生が、たまたま遺産がたくさんはいったので、それで、保育園を開くことになって、みたいなのを全部書いたら「そこまではいりません、そこまでは求めてません」みたいな。
まあ、ざっくりは、修行のためにきた、と。人間の保育園で、ノウハウを学びに来た、と。そういうところは採用してもらいました。絵描きさんに、どういう感じのキャラなのかな、っていうのを、もうちょっとくわしく説明、できたら、というので、そのへんを説明して。遺産がどうとか、そのへんは、もう、カットになってしまって。私の中の裏設定ですね。そこはね。そんな感じの、経緯でした。
ホ:物語の中に、動物が、人と一緒にいるときって、キャラクターというか、可愛がられるというか、そういうのが多いというと、語弊があるかもしれないんですけど、そういうのが、よく、私は今まで見てきて、ねこまる先生は働いてらっしゃって・・・ 結構、しっかりしている、というか、落ちついていらっしゃるので、ああ、なるほど・・・。将来的に自分でももしかしたら園をひらくかもしれないと思えば、この落ち着き。納得しました。そこも読んでみたいですね、絵本でね。
オ:そうですね、やっぱり、しっかり働いて、今は見習いだけど、いつか、いつかは自分が、園をしょって立ちたいっていう希望をもっている。なんかそういう。
ホ:なるほど、遊びの見習いみたいのではなくて、けっこう、しっかりとした見習い。
オ:これ、書いたときに、わたし、保育園でバイトしたことがあるんですよ。じつは。実家にいた時に、近所の保育園で募集してたので。保育助手かな。資格はいらないんですけど、いろんな、お手伝いをするという。それで、やってて、このお話。
オ:なんかね、自分が、あまりにも役に立っていなくて。なんかもう、指示をされたことが、全部、二手、三手、四手ぐらいおくれてしまって、アワワワみたいな、仕事がたまっていくみたいな。今日もまたダメだった・・・みたいな、けっこう落ちこんだりとかして。でも、自分が人間だと思うと落ちこむけど、ねこだもん!仕方ないって、思うようにしてたんですよね。こう見えて、中身は、ねこだ!って思って。
オ:なんか、そういう先生もいるかもしれないな、というところもあって、この話はね、生まれたので。ねこまる先生、見習いだけど、一生懸命、けなげにね、がんばってます。
ホ:すばらしい、なんか、ええ~、おもしろい。その話をきいたらいろいろ納得するし。ま、べつにね、読む方が、それぞれに、ねこまる先生の背景みたいなものは、想像して、読んでもらえればいいものだとは、思うんですけど、きいたらきいたで、やっぱ、おもしろいっすね!ああ、なるほどって、思いますよね。なんかこの、安定感?
オ:安定感、あ、どっしりとしたね。むかし、実家にいたときに、こういうオスのね、トラねこがいたんです。茶トラの。赤西虎左衛門って、名前だったんですけど、けっこう大きくって、5キロ以上あって、ひざにのせるとひざがしびれるって。すごい重かったんですよね、おっさんねこで。ちょっと、その面影は、絵にしていただく時に、ちょっとお伝えしたかもしれません。子猫とかではないっていう。
ホ:おとなねこの魅力ですよね。子猫ちゃんのかわいさとは、また違って、大人になってきた大きなネコの魅力って、飼ってる人にはたまらない魅力だと思うんですけど。
オ:そうそう。でも、やっぱりねこだから、結構、いろいろ、やろうとしても、うまくいかないこともね、たくさんあったりして。ちょっとたよりないところもあったり、っていうね。その微妙な絶妙な感じを、渡辺 有一さんがすてきな絵に描いてくださったんです。ええ、ええ。