YouTube動画「作家が作家にきいてみた」全文起こし1/3 ひとつ目の質問
こんにちは。子どもと読書の委員会YouTubeチャンネルに第1回目の動画があがっています。
押川理佐さんへのインタビュー動画です。
聞いてくれたのは、ほんまちひろさん。登場した本は『ねこまるせんせいのおつきみ』(渡辺有一 絵 世界文化社)となっています。
見ていただけたでしょうか?
ゆるゆるとおしゃべりする様子が、とても押川理佐さんらしい動画になっています!
さて、予告していたとおり、インタビューの模様の全文をこちらで掲載していきます!
今回は第1の質問とそのお答えまで。読んで楽しんでいただけたらうれしいです。(しめのゆき)
※無断転載やご使用はご遠慮ください。
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♪タイトルコール+ピアノメロディ
(C)日本児童文学者協会 子どもと読書の委員会 2025
作家が 作家に きいてみた
おでんの具は なにがいいですか?
しめのゆき:こんにちは。日本児童文学者協会、子どもと読書の委員会です。子どもの本を書く作家って、どんな人たちなんだろう?その秘密を、作家どうしのおしゃべりの中から探る新企画!
「作家が 作家に きいてみた おでんの具は なにがいいですか?」
第1回目の秘密を語るのは、児童文学作家で脚本家でもある押川理佐さん。きいてくれたのは、児童文学作家で、詩人、画家のほんまちひろさんです。
では、ほんまさん、お願いします!
本間:こんにちは!今日のインタビュアーのほんまちひろです。今日は、こちらの絵本を紹介いたします。
『ねこまるせんせいの おつきみ』
押川 理佐 作 渡辺 有一 絵 世界文化社
表紙の紹介
押川:この「ねこまるせんせいのおつきみ」の表紙の絵なんですけれども、背景が、濃紺の宇宙に、遠くに白い星が、すこし浮かんでいますね。画面の下の方に、ちょっとからだを「く」の字にまげて、にっこりわらったおおきなとらねこの先生が、白いエプロンをつけて、月を抱くようにして、にっこり下から、笑っています。しっぽの先は、フサフサですねぇ。
お月さまが真ん中に、にっこり、やっぱり笑顔で浮かんでいます。お月さまとねこまるせんせいの上に、宇宙を浮かんでいるように、子ども園の黄色いスモックを着た男の子が、逆さになって、にっこり笑っています。
どうやらこれは、重力のない世界で、宇宙を漂っているようなイメージの、素敵な表紙の絵になっております。
ひとつめの質問
本間(以下、ホ): ちょっとだけ、中も見せてもいいということなので、ちょっと、ちらっとお見せします。じゃーん。
押川(以下、オ): ああ、お月見、準備してますね~。まんなかが園長先生ですね~。
ホ:なんか、おいしそうなものが、つみあがっています。
オ:お団子つみあがってますねぇ。こざかな園という、子ども園のおはなしなんですね。これね。
ホ:ぜひ、皆さん、読んでみて下さい。今日はこの絵本を読んで、押川さんに、ちょっと質問をさせていただきたいと思います。
ホ:まずですね、私が、この絵本を読んで、心に残ったことは、不思議なことがおこるのに、登場人物があんまりびっくりしないで、落ち着いて淡々とその世界を楽しんでいるところに・・・、私だったら、「え~~~っ!」とか言っちゃいそうなのに、子どもも落ち着いていらっしゃるので、それは、なんだかおもしろいというか心に残りました。
オ:ありがとうございます!
ホ:それで、子どものころは、空想したり夢みたりっていうのが、友だちみたいな感じであったなあっと、自分のことは思うんですけども、押川さんは、おとなになっても、空想したり、おもしろいことを想像するということと、心の中でお友だちでいらっしゃるのかなと思って。
ホ:空想の世界、おはなしの世界とのつきあい方というか、どんな感じでなかよくしていらっしゃるのか、おたずねしたいなと思いました。
オ:そうですね、私、けっこう、前ぶれなく、ふしぎな世界に、いつのまにか、ぬる~っと入ってるっていうようなものが、わりと、好きなんですよね。個人的に。はい。寝る前の、夢をみるような、導眠のときの感覚、夢って、「今から夢見るぞ!」みたいなのじゃなくて、いつのまにか、脳みそが論理的じゃなくなっていくんですよね、だんだん・・・。そんなことが起きたら、ふつうだったら、ものすごくびっくりするはずなのに
ホ:そうそう! そうなんだよ。
オ:夢の中だと、それがあたりまえのような。起きてからよくよく考えて、とんでもないことが、そんなわけないじゃん、というようなことが、いっぱい周りに。それが、なんかね、ここから、今、入った!っていうのが自分では自覚なく、いつのまにかすこしずつ、で、気がついたら、「あ、あれ? どこだ? ここは?」みたいな。そういうのがすごく、私、個人的には、好きなんですね。
オ:だから、さっきの「あんまりおどろいてないね」っていうのは、あ、たしかになって思って。
ホ:ふふっ。
オ:たしかにたしかに。私の、夢に入っていくときの、なんでしょうね、催眠、みたいな、なんかそういうような感じなんですかね、それが、炸裂してしまった・・・。
オ:不思議なこと。そうですね、不思議なことって、結構やっぱり、世の中起こるんですよね。だけど、あんまりみんな、気がついていないだけで、よくよく考えたら、すごい偶然だったり、ちょっとした、人とのご縁であったりとか、なんか気になるものが、その通りになったりとか。そういうことってあるんですよね。でも、なんで、そうなるのかって、あんまりちゃんと解明はされていない。
解明はされてないけど、ある、というようなものは、まだまだ、深海のように、たくさん、かくされているんじゃないかと、私は思っているんですよね。なんか、そんな感じ。あいまいな答えで・・・。
ホ:「ぬる~っと」っていうのが、わかりやすかったです。
オ:ちひろさんも、なにか不思議なものに対して、寛容そうにお見受けするんですけど。
ホ:空想の世界とか、想像をふくらませるっていうのは、そう、いつもともにありますね。
オ:そうですよね!
ホ:ただ、「ぬる~っと」入るのか、もうすでに浸かっているのか、みたいなところで、個性というか、作家のっていうわけじゃないけど、ひとそれぞれの、個性みたいのが、内容とかモチーフに個性がでるんじゃなくて、さっき仰ってた、ぬる~っと、ていうのが、なんか、ああ、なるほどなって思って。今日、きいてよかったです。
オ:おそれいります。