「公開研」プレ読書会第1回〈朽木祥さんの作品を語ろう!〉報告

研究部

去る4月5日(土)20時~21時半、Zoomミーティングを使って第1回「プレ読書会」を行いました。
11月29日(土)の公開研の登壇者のお一人である朽木祥さんの作品を語り合おうという会です。参加者は、研究部員7名を含む14名。受付を開始した当初は、会員外の方のお申し込み数が、会員のそれを上回っていました。この会の存在を知って申し込んでくださったこと、心からうれしく、感謝申し上げます。
まずレポーターの西山が最初の30分強、お話しさせていただきました。朽木さんの単行本リストの中から、私が主に取り上げたのは以下の作品です。
*『彼岸花はきつねのかんざし』(ささめやゆき・絵、学習研究社、2008年)
*『八月の光』(偕成社、2012年)
*『光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島』(講談社、2013年)
*絵本『彼岸花はきつねのかんざし』(ささめやゆき・絵、学研教育出版、2015年)
*『八月の光 失われた声に耳をすませて』(小学館、2017年)
*『パンに書かれた言葉』(小学館、2022年)
*『かげふみ』(光村図書出版、2023年)

『日本児童文学』7・8月号の特集記事の1本として、朽木作品について書くことになっており、その締め切りを目前にひかえているというのに、私の話は未整理なままでお恥ずかしい限りでした。
その後、研究部員奥山恵さんの司会で、参加者全員に簡単な自己紹介と朽木作品への思いなどを語ってもらいました。一巡するだけで、あっという間に1時間経っていました。「朽木作品のここが好き」は、参加者の数だけ思いがあふれますね。特に、ご自身が広島で被爆されている方が、朽木作品に受ける刺激(「伝える」の背中を押される様)を語ってくださったこと、小学校教員の方が「目の前の子にまっすぐに届く作品を書いてもらえた」と話されたこと、本当にありがたく拝聴しました。
『あひるの手紙』に「共感」が身近なところから始まる姿があるという指摘に、「広島」や「戦争」を直接のテーマにしていない作品が見せてくれている価値観をきちんと読み込みたいと思いました。大切に書かれている朽木作品を大切に読みたいという発言、丹念な暮らしの厚み故に伝わる喪失の深さという発言などなど、短い時間でしたが、朽木作品の厚みを再確認するひとときでした。
実は当の朽木祥さんもご参加で、最後に、今後の出版予定を教えてくださいました。11月の公開研究会の前に出版される予定だそうです。11月の公開研で中心的に語られることになるでしょうか。楽しみに待ちましょう!

6月に行う第2回プレ読書会は、指田和さんの作品を語り合います。レポーターは、研究部員の望月芳子さん。日時は追ってこのブログでお知らせします。
「公開研」プレ読書会は全4回です。今後ともよろしくお願いします!