文学学校で幸せを(正岡知子)/第51期児童文学学校
受講を決めた時の私は、「上手に正しく物語を書く方法を教われるのだ」と思っていました。秘伝のマニュアルを知れるとさえ……。
ですが、その考えは大間違いでした。私が知ったのは、「誰かの言う通りにしても、同じ結果になるとは限らない」という、至極当たり前のことでした。豪華な講師の方々の、惜しみないご自身の創作についてのお話は、当然ながら、そのどれもが、お一人ずつ違うものだったのです。
また、「講評」がどんなものであるかも知らずにいた私は、先生からのアドバイスを受ければ、サクッと上達するのだとも思っていました。そして、これもまた間違っていました。
初回の作品講評の赤羽先生が、他者の意見を聞くことの大切さを一通り話されてから、「でも正解はない」「講師の意見はあくまで参考に」「自分がどうしたいか考える」ということをおっしゃいました。
自分の書き方を探して書き続けるしか、上達はないようでした。マニュアルなんぞを求めて入学した自分を叱りつけてやりたいです。
ですが、挫けてしまうどころか、講義が進むごとに書きたい気持ちは、むくむくむくむくと育っていきました。
それには、他の受講生さんの存在もとても大きかったように思います。
様々な作風やテーマの作品を、毎月読ませていただけたことは、本当に刺激的でした。講義ごとに、メールで届くワクワク感は忘れられません。今となっては、もっと感想をお伝えすればよかった! と悔やんでいます。
「厳しい現実」を知らされた文学学校で、気づけば私は、多くの「幸せ」を手にしていました。自分の中から生まれる物語を書き上げる幸せを知ってしまいました。読んでもらい、読ませてもらえる喜びも、文学学校で知った幸せです。今も同期会としてつながりがあることは、とてもありがたいです。
「創作すること」を、生活の中にとり入れた私は、書く前よりも、ずっと前向きになりました。いろいろな感情、出来事にアンテナを張っていて、景色が違って見えているように感じます。そのことがとても幸福です。
とはいえ、まだまだ一人きりで「自分流」を探せずに、文学学校修了後は、実作通信講座でもお世話になっています。
思うように書けずに、はがゆく感じることもありますが、「書く幸せ」の方が大きいです。
幸運にも今年になって、いくつかの公募で入賞させていただくことができました。
もっともっと、書いていきたいです。
(正岡さん、「アンデルセンのメルヘン大賞」優秀賞、「日産 童話と絵本のグランプリ」&「森林のまち童話大賞」佳作、おめでとうございます! by事業部)