159、75周年です(2025,3,5)
【今日、3月5日は……】
・すみません、「75周年」は協会のことではなく(児童文学者協会は、来年で80周年です)、今日が僕の75歳の誕生日という次第です。昨日も事務局で原さんにそんな話をしたのですが、ニュースなどで「75歳」と聞くと、「どこのジイサン(バアサン)が……」と思うのですが、自分のことになると、もうひとつピンときません。年を取るというのは、そんなことなのでしょう。
・昨日から雪で、昨日の午後、対面で予定していた文学賞委員会は、急きょリモートに切り替えました。こういう時は、本当に便利ですね。この文学賞委員会で、昨年出版された本の中から、協会賞、新人賞の選考委員会で検討してもらう作品を粗選びするのですが、今回の特徴は、新人賞の対象となる作品が少なかったことで、「3作目の著作まで」という有資格の本を、無条件にリストアップしても21点しかありませんでした。やはり、出版状況は厳しいですね。
協会賞、新人賞が決まるのは4月下旬、そして5月下旬の総会時に、贈呈式が行われます。協会としては、一足早い春の準備となります。
・昨日、雪が降ったので、改めて自分が生まれた時の天気はどうだったんだろうと考えました。秋田ですから、雪が降っていたか。今検索したら、1950年3月5日は日曜日でした。僕は6人兄弟の末っ子で、この時二人の兄はもう高校生、姉たちが中学生と小学生と4歳。僕は朝の5時55分に生まれた(と聞いています)のですが、みんな日曜日で休みだったわけですね。ただ、天気はわかりません。今度、調べてみよう。
【そして、50周年】
・これは前に書きましたが、僕は24歳で初めて『日本児童文学』に評論を書かせてもらったので、昨年が“デビュー”50周年でした。一年ずれましたが、今年、僕的には「50周年」の区切りともなる二つの仕事を予定しています。
一つは、今の進行具合だと5月あたりになるでしょうか。文溪堂から『童話作家のアイウエオ』という本を出します。このタイトルだと、童話創作の入門書のようにも見えますが、そうではなくて、50人の童話作家を紹介するという本です。これはもう6、7年前になるか、教材関係の団体のホームページに連載していたのが元です。それだけ時間が経ったので、多少メンバーを入れ替えたり、近年のことを加えたりしました。
「童話作家のアイウエオ」というタイトルは、図書館で本を探すときのことをイメージしています。ご存じのように、どこの図書館でも、著者の五十音順に本が並べられているわけですが、大人の本はそれでいいとして(大体、「この作家の本が読みたい」というふうに本を探すのが主流ですから)、子どもの本の場合は、作家から探すというよりは、タイトルとか本の作りとかから探す方が多いと思うのです。実際、子どもの本の作家というのは、あまり名前は知られていません。角野栄子さんは、さすがにこのところ露出が多いですが、例えば中川李枝子といっても、大半の大人はわからず、『いやいやえん』『ぐりとぐら』といえば、一発でわかるでしょう。
子どもの本の作家はもちろんたくさんいるわけですが、図書館の棚のメインを占める作家というのは、大体50人くらいではないか。それくらいの作家を知れば、児童書の棚を全体としてかなり把握できるのではないか、そんなふうに考えて、上記の連載の際に「童話作家のアイウエオ」というタイトルを考えました。
・もう一つの「50周年」は、この8日に秋田に用事で、前日に向かうのですが、今年の9月から、僕が外部委員を務めるあきた文学資料館で、斎藤隆介展を予定しています。これは何度か書きましたが、僕が児童文学にはまったのは、大学一年(18歳)の時、斎藤隆介の『ベロ出しチョンマ』(その中の「八郎」)に出会ったからで、文学資料館の委員を引き受けた時から、いつか斎藤隆介展を実現したいと願っていました。18歳からすれば、こちらは57年ということになりますが、児童文学の仕事を半世紀続けてきた時点で、僕の出発点である斎藤隆介展の企画ができるということを、うれしく思っています。
たまに行くからそういうふうに言えるので、住んでいる人は(特に今年は)大変とは思いますが、雪景色が楽しみです。