創作教室二年目の終わりに(中村れいこ)/オンライン創作教室       

講座ブログ

創作教室二年目ももう少しで終わろうとしています。
同じ志をもつ仲間に出会えて、私の世界は広がりました。
止まっていた時間が動き出すって、こういうことなんだと思いました。

三十年前に童話を書いていた頃は、今よりもっとたくさんの童話賞がありました。
久しぶりに、創作の世界に戻ってきたとき、多くの童話賞がなくなっていて驚きました。童話賞を続けるって大変なんだと気づきました。

そんな時、『海からの電話』という作品が、第46回『子どもたちに聞かせたい創作童話』で特選をいただきました。
大喜びです! 今年度、一番うれしかったことだと思います。
その後でこの童話賞が46年間も続いているということに気づいて感動しました。この童話賞に関わって下さったすべての方々に感謝します。

このお話は、私が小さい頃大切にしていた白い巻貝と、海岸の岩場で見たヤドカリを思い浮かべて書きました。とてもたのしい気持ちで書いていたら、「何笑ってるの?」
どうやら、ニヤニヤしながら書いていたようです。
思えば、昨年新美南吉童話賞で入選した話は、今は亡き両親の思い出が入っていたので、泣きながら書いていました。
人の心を動かすには、まず自分の心が動かなければいけないのだと気付きました。ですから、まずは、自分が楽しめたり、感動したり、泣きたくなるような作品を目指していきたいと思います。

最後になってしまいましたが、表彰式をしていただいた鹿児島文学館とメルヘン館が素晴らしかったです。
文学館には、向田邦子さんのコーナーがあって、向田さんの家のリビングが再現されていました。テーブルの上には手書きの原稿。受話器を取ると、向田さんの声で留守番電話が流れます。向田ファンにはたまりません。
メルヘン館は、スロープの壁にアリスの絵が並んでいて、アリスの世界に迷い込んだような写真が撮れます。
そして、そこにいらっしゃる方々が本当に親切でした。
来年もまた応募したいと思っています。皆さんもどうぞご一緒に。

 

(中村さん、誠におめでとうございます! by事業部)

※第46回『子どもたちに聞かせたい創作童話』の発表はこちらです。