平和を考えるために今こどもたちに手渡したい本 第六回 村上しいこさん

子どもと平和の委員会

「へいわってどんなこと?」 浜田桂子
「へいわってすてきだね 」 安里有生

まず、自分の本であれ、誰かの本であれ、紹介するのがとても下手というか、苦手なので、まあ、読んでみてねと言うだけです。
いちおう作家なので、物語を書くことで、平和を考えて生きたいなと思っています。

それにしても、人はどうして力を持つと平和を壊しにかかるのでしょうか?
ロシアもイスラエルもアメリカも中国も。そして追随するしか芸のない日本も。その向こう側にあるものがわかれば、少しは平和を取り戻せる気がします。
ただそれが、単なる自己保身だとすれば、平和への道は、険しいものになるでしょう。

子どもたちには、なによりも、平和であることを楽しんでほしいのだけど、平和だと思っているこの日本で、引きこもりが三十万人とか。
平和って何だろう? 改めて思います。
それでもやはり、平和であることの意味を知ってほしいし、今が楽しく、目指すものがあって、そこに向かっていけるエネルギーを、身につけてほしい。

自分を信じることと、自分を疑うことのどちらも大切で、それを育ててくれるのが、読書体験だと思うのです。

 

平和を考えるために今こどもたちに手渡したい本 : 下記の5冊を紹介させて下さい。
何気ない日常が大切なんだと思わせてくれる作品です。
1. へいわってどんなこと?   (童心社) 浜田桂子
2. へいわってすてきだね      (ブロンズ新社)安里有生
3. 火垂るの墓       (ポプラ社) 野坂昭如
4. 壺井栄童話集      (新潮社) 壺井栄
5. あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 (スターツ出版) 汐見夏衛