145、事務局・留守番の記~電話のこと~(2024,10,5)

理事長ブログ

【水曜日に】

・今日は、孫の幼稚園の運動会だったのですが、雨で流れました。明日に延期ということですが、できるかどうか、とにかく涼しくなったので、良かったです。

さて、今週の水曜日、2日ですが、この日は宮田さんが在宅の日、原さんが日曜出勤の代休を取るということで、事務局に“留守番”に行きました。今、事務局が二人体制になって、たまにこういう時があります。

今回もそうだったのですが、僕の事務局員時代と一番違うのは、かかってくる電話の数が圧倒的に?少ないということ。7時間ほどいたわけですが、その間かかってきた電話は3、4件ぐらい。かつては、その十倍くらいあったのではないでしょうか。協会事務局は、外線が2つ入っていますが、その両方がふさがっていることも普通でした。

その理由は明らかで、今は各種連絡、問い合わせなど、ほとんどメールだからです。(だから、事務局長の原さんなどは、メールの応答だけで、相当に時間を取られているはずです。)もちろん、時期によっては(例えば作品公募の締め切り間際とか)、問い合わせの電話がそれなりにかかってくる場合もありますが、概ねこんな感じです。事務局に人が何人かいる時はそんなに感じませんでしたが、電話が鳴らずあまりに静かで、なんとなく落ち着きませんでした。

【電話と言えば】

・今はメールに変わったわけですが、上記のように、毎日数十件かかってくる電話にも、いろいろありました。役員や会員からの連絡ももちろんあるわけですが、「誰それの著作権継承者を教えてほしい」といった問い合わせも少なくありません。時々あったのが、マスコミ関係で、テレビのクイズを制作している会社から、例えばですが、「グリム童話は創作なのか? 昔話なのか?」というような“質問”が来たりします。大体のところはわかりますが、クイズですから間違ってはいけず、いろいろ調べたり、専門家を紹介したりというようなことも、少なくありませんでした。

・それから、「講演をお願いしたいが、誰か紹介してほしい」といった電話も、時折ありました。これも、結構気を使います。「こちらは、そういうことを紹介するところではない」という対応もあり得るし、一番簡単でしょうが、僕はそれはしたくありませんでした。ただ、恣意的な“人選”になってはいけないわけで、どんな話を望むのかといった点をよく聞いて、また講演料なども確かめて、頭に浮かんだ人を数人挙げ、なるべく相手に選ばせるようにしていました。

・これはさすがにレアケースなのですが、ある時某地方新聞社から、問い合わせの電話があったことがありました。「児童文学者らしい」ある女性についての問い合わせだったのですが、会員ではありません。ただ、話を聞いていて、思い当たる人がいました。その方は、何度か電話をしてきた後、事務局を訪ねてきたのですが、用件が何なのか、今一つわかりません。それなりに年配の方で、若い頃川端康成の所に出入りしたとかなんとか、思い出話のような自慢話のようなことを話して帰ったのでした。

どうも、その方が、新聞社の文化部になんらかの“売り込み”に行って、その際に、「児童文学者協会に“出入り”している」といったことを話したらしいのです。なんとなく偉そうでもあり、どう応対したらいいかわからず、こちらに聞いてきたわけでした。「いや、こちらの会員でもなく、児童文学の世界で活躍している方ではありません」ということを、あまりあからさまに言うのもナンなので、ややオブラートに包んで答えたことを思い出します。そういうことも、何年に一回かはありました。

・電話とメールの違いはいくつかありますが、電話は顔は見えませんが、声は聞こえる直接のやり取りですから、面倒な点もあるけれど、おもしろいというか、より“人間的”なような気がします。もっとも、事務局が三人体制だったから、ややゆとりをもって応対できていた面もあり、たまに事務局に行って、メールの膨大な(と言って過言ではありません)履歴を見るにつけ、今の事務局の仕事の大変さを思わずにはいられません。