ミニコラム① ご挨拶 朽木祥

子どもと平和の委員会

ミニコラム① ご挨拶

トップバッターの西山利佳委員からも既にご紹介いただきましたが、「子どもと平和の委員会」が新しいメンバーでスタートしました。

小手鞠るい、指田和、繁内理恵、中澤晶子、長江優子、
西山利佳、はらまさかず、村上しいこ、朽木祥

各委員が、これから毎月「平和を考えるために今子どもたちに手渡したい本」について発信します。
また、折々に関連書籍や行事などについても発信していく予定です。

来年は戦後八十周年の節目の年ですが、戦後まもなく世界中で平和な世界をめざして、さまざまな取り組みがなされました。児童文学の世界ではたとえばIBBY(国際児童図書評議会)が、まさに「子どもの本で平和を作る」という理念を掲げて設立されたのでした。
日本児童文学者協会の設立理念その1「民主主義的な児童文学を創造し普及する」も同様の目的を別の言葉で謳っています。全体主義の時代を二度と迎えないために鳴らされた警鐘でもあります。

今このときも、世界各地で不幸な戦いや紛争が続いています。多くの子どもたちが犠牲になっているニュースも毎日のように入ってきます。そんな世界のなかで日本の子どもたちが遠い国や遠い昔のできごとにも心を向けることができるよう、他者に向ける温かい心情や偏りのない知性を育てることができるよう、わずかでも私たちにできることを見つけていきたいと思います。

このブログを読んでくださる皆様にもどうかお力を貸していただければ、こんなに嬉しいことはありません。二年間、どうぞよろしくお願いいたします。(朽木祥)

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*さて西山委員ご推薦の『わたしたちのアジア・太平洋戦争』全三巻(童心社)は、資料としての価値が大きいだけでなく、読みやすさなどにも熟慮工夫して編まれた、子どもたちに平和と戦争を考えてもらうためにふさわしい本です。大部なので個人では手に入れにくいかもしれませんが、是非とも学校図書館や地域の図書館に入れていただければ。大人が子どもたちにあの戦争を語るときにも必須の文献です。

次回のコラムでは、同じく大人の方々に手に取っていただければご参考になるかもしれない「平和を考えるための本」を何冊かご紹介したいと思います。
ではまた!