岡山セミナー通信 No.9 ~岡山市の学校図書館~

組織部

岡山市の学校図書館では、1校1名以上の学校司書が常駐しています。そして、夏休みには10日程度を目安に開館するようになっています。長期休業中も開館し、子どもたちの読書や学習環境を保障すること・安心できる居場所を確保し提供することなどが目的です。また、開館行事も工夫し、子どもたちの知的好奇心を触発したり、地域の方々との交流ができるようにしたりなど、長期休業中ならではの取り組みができるようにしています。

開館行事とひとことで言っても、内容はさまざま。小学校図書館で勤務していた際の実例を紹介します。開館日ごとに、多様な講座を設けます。子どもたちに大人気の「スライム作り」は定番でした。担当してくれた理科の先生に、「うまく混ざらなくて変なスライムになった!どうすればいい?」「色をつけなかったらどんなスライムになるの?」など、みんな口々に尋ねながら楽しそうに作っていました。また、図書館の本を参考にしながら、「消しゴムはんこづくり」「新聞ヨーヨーづくり」などの工作に取り組めるようにもしていました。1年生から6年生まで参加しているので、上学年の子たちが下学年の子たちを手伝っていたり、協力し合ったりして、一緒になって遊ぶ姿も見られました。

お話を通して地域の方々との交流の場を持てるよう、文庫の方々に来ていただいて昔話を聞く会や中学校の図書委員会によるお話会、地域の方に戦争体験を聞く会などもしていました。また、音楽の得意な先生たちとミニコンサートをして一緒に歌ったり、海外勤務経験のある先生に現地の話を聞きながら名物のおやつをいただいたりなどのイベントも企画しました。学校司書のコーディネーター力が試されるところでもありますが、子どもたちが楽しそうに参加しているのを見ると、頑張りがいがあります。

私自身は今、中学校の図書館に勤務しています。中学校では決まった行事はしていませんが、開館していると、生徒が本を貸し借りしに来たり、課題に黙々と取り組んでいたり、友達の部活が終わるまで本を読んで待っていたり、部活のあいまに涼みに来て少し本を読みながらクールダウンしたかと思うとあっという間に出て行ったりと、様々に過ごす様子が見られます。そこで、来館時にちょっとしたお楽しみがあるよう、プチ工作ができるコーナーを設けたり、「54字の物語」を書ける用紙を設置したりしています。今年はアップサイクルを意識し、ペットボトルキャップのマグネット作りができるようにしていると、1年生が「中学校の図書館でこういうのできるんだね!」と楽しそうに取り組んでいました。

また、先日、研修で中学校図書館を訪れたところ、閲覧机の上に手づくりの魚釣りセットが置いてあり、自由に遊べるようになっていました。「生徒達も意外と楽しそうに遊んでいるよ」とのことでした。生徒のリラックスする手段として、とても良さそうです。ほかの中学校の学校司書からも、夏休み中に「うちは新聞を使った川柳づくりをしているよ」「手ぬぐいでブックカバーを作れるようにしているよ」などのアイディアをもらいました。よし、来年度は…と今から楽しみに考えながら、2学期の業務に邁進しています。

▲カウンター周りの写真 いつも「きょうの1冊」を置いています。

▲夏休み用の本を集めたブックトラック

岡山市立香和中学校 学校司書:佐久間志帆