136、あれこれ、あれこれ(2024,7,6)

理事長ブログ

【まずは、読者プレゼント】

・やや常習犯になりましたが、今回も一日遅れ。なんの理由もありません。昨日「あっ、5日だ」とは思ったのですが、頭が理事長ブログのことに向かいませんでした。あまりの暑さのせいか、年のせいか……。

ただ、頭のどこかで、「何かをやらなければ……」という警報が鳴っていたのでしょうね。10日締め切りの『ちゃぐりん』誌の新刊紹介の原稿を、珍しく早めに書いて送りました。今回取り上げたのは、志津栄子さんの『かたづけ大作戦』(金の星社)という本。かたづけが大の苦手な母と子(二人暮し)の話です。3年生の芽衣の、教室の机の中のごちゃごちゃぶりから話が始まり、これはかつて小学校の先生だった僕にも覚えがありました。机の中がとてもすっきりしている子と、いつもごちゃごちゃしている子がいて、僕はその点は寛容だったと思います。僕自身もかたづけは苦手な方なので。だから、逆に、ほかの先生や親たちから「教室がきたない」とだけは言われまいと気を付けていました。

さて、芽衣のお母さんは、インテリアデザイナーという仕事なのに、娘に輪をかけてかたづけが苦手。だから、芽衣は家に友だちを連れてくることができない、という設定。この母子が一念発起してかたづけにかかるわけですが……。まあ、ありそうな話ではあるのですが、僕はこの雑誌で紹介する本は、なるべく親子で楽しめそうなものをと心がけているので、その点ぴったりと思いました。

・さて、この雑誌では、編集部で紹介した本も含め、2冊ほどを読者プレゼントにしています。1冊は僕への献本を充て、あと1冊を出版社に協力してもらっています。今8月号まで出ているわけですが、この号では、そうした通常のプレゼントに加えて、「創刊60周年」記念のプレゼントが告知されています。賞品は7段変速のジュニア向け自転車、手のひらサイズのドローン、ミニピク(カメラ)など、なかなか豪華。ふと、『日本児童文学』でも読者プレゼントをしてはどうかと考えましたが、こんな賞品は用意できそうにありません。誌面充実が、なによりの読者プレゼントか(ちょっと苦しいか~笑~)

【この頃のあれこれ】

・イギリスでは、労働党が圧勝で14年ぶりの政権奪取、フランスでは極右政党が第一党に、そしてアメリカでは「もしトラ」が冗談ではなくなっている……等々、政治のニュースがにぎわしています。ひるがえって、日本の政治は相変わらず。しかし、そうした中でも、沖縄の女性暴行事件隠し(これはどう考えても県議選対策ですね)、そして今日の新聞で、総裁選が9月に行われそうという情報とともに、自民党は「憲法改正に向け党内意見を集約するためのワーキングチームの初会合を党本部で開いた」(毎日新聞)と報じられています。いろいろ理屈はつけるでしょうが、本丸が9条なのは明らか。いま、わたしたちに(この「わたしたち」という言葉に、どれくらいリアリティがあるかという問題もありますが)これを阻止する力があるかどうか。「シルバー民主主義」と揶揄されようが、今こそ出番なのかもしれません。

・今日は土曜日で、毎日新聞の書評の日。3面を使った書評は本当に充実していて、これがあるからこの新聞を取っているようなところもありますが、今日も興味深い本が並んでいました。著者紹介の欄で紹介されていたのが、「報道ステーション」のキャスター大越健介さんの『ニュースのあとがき』(小学館)という本。週末に、その週の出来事などを題材にしたコラムを、番組のホームページにアップしていて、それをまとめたものということでした。僭越ながら、このブログの性格ともちょっと重なる点があるかなと、読んでみたくなりました。また、ちょっとびっくりしたのは、新美南吉の童話集(新潮文庫)が詩人の荒川洋治さんの評で出ていたことで、ということは、新刊が出たのでしょうね。取り上げられている作品は、まず表題作の「ごんぎつね」と「でんでんむしのかなしみ」。「手袋を買いに」は「ぼくがいちばんすきなのは」というマーク付き。他に、「狐」「花の木村と盗人たち」「久助君の話」「おじいさんのランプ」と、この選択だけでも、評者の南吉童話への理解度、傾倒度がわかります。「新美南吉は、心のなかに開く大切な情景を、後代に伝える」と締めくくられていました。