5・6月号おまけの情報①

『日本児童文学』編集部

5・6月号が発行されました。特集は「子どもの文学この一年」で、座談会と7つの論考で2023年の子どもの文学をふり返ります。とくに座談会では、これまであまり取り上げることの少なかった詩歌について話されています。是非お読みください。

さて、イラストレーター・絵本作家の石川えりこさんの絵童話『ペンギン』は、器に盛りつけられたある煮物をペンギンの煮物と勘違いしたというお話です。肉厚のそれを醤油で煮たのであれば、色や質感からペンギンの煮物と思うのも納得のお話です。

その石川さんの絵本に『かんけり』というのがあります。缶蹴り遊びで仲間がオニに捕まり、自分が缶を蹴って助ける以外にないという立場に置かれた少し気の弱い子どもの気持ちが、これも読み手が納得するような文と絵の展開で描かれています。座談会では、曹文軒さんの文に絵をつけた『わたしはふね』も取り上げられています。(文責・荒木せいお)