128、乾杯の音頭(2024,4,15)

理事長ブログ

【“1回休み”が定番になってしまいましたが】

・前回(5日)も、またも“1回休み”になってしまい、ごめんなさい、です。正直、これからはこんなペースでもいいかな、と思ったり。

4月に入り、新事務局長の“補佐”という感じで、週2くらいのペースで、事務局に出ています。先週は、9日の火曜日と12日の金曜日に“出勤”でした。この時期は総会を前にして会議が多い時期でもあり、9日は午後に那須正幹著作権管理委員会、夕刻から、リモートで日本児童文学者協会賞の選考委員会があり、僕は選考委員ではありませんが、事務局として進行を務めました。

12日は、会議はなかったのですが、夕刻から神保町の出版クラブで、岩崎書店と創作集団プロミネンスが主催する「SF童話賞」の授賞式がありました。文学賞の授賞式、贈呈式は、夏とか冬というのはあんまりなくて、大体春か秋のような気がします。少し前、3月27日には、小川未明文学賞の授賞式がありました。どちらも公募賞で、大賞作品は本になるので、大賞なのか優秀賞(あるいは佳作)なのかは、かなり違うことになります。「SF童話賞」の今回の大賞受賞者は、前回(隔年なので2年前)の佳作の方というのが、とても印象的というか、「良かったね」という感じでした。

【で、“乾杯の音頭”ですが……】

・それで、大体授賞式の後は懇親会というか、パーティーという流れなわけですが、僕は「日本児童文学者協会理事長」という肩書もあり、未明賞の時は「乾杯の音頭」、SF童話賞では、来賓を代表するような形で締めの挨拶をやらされました。(「やらされました」という表現は適切でないかもしれませんが、率直なところです。)

こういう感じ、つまりそういう場(コロナの影響もあって少なくはなりましたが、出版記念パーティーなども含め)に出ていくと、「乾杯の音頭」とかをやらされるようになったのは、ここ10年くらいのことでしょうか。若い時に、“長老”的な方が乾杯の発声に指名されるのを見て、「ああいうふうにはなりたくないものだ」(つまり、そういう役目というのは“現役”ではない人という烙印を押されるような感じを受けたので)と思ったりしましたが、今や自分がそういう立場になったのだと痛感します。僕はまだ?経験がありませんが、電車で席を譲られる経験に似ているかもしれません。

当初、そういう指名を受けた時は、もともとプレッシャーに弱い方なので、なんとか「偉そうに」見えるように、あるいは大物っぽく見えるように、しゃべったり、ふるまったりしたような気がします。しかし、何回かそうしているうちに、我ながら見苦しいという気がして(というか、何を言おうが、どうふるまおうが、誰もまったく気にしてないわけで)、今は、逆に「偉そうにしない」ということを気にかけながら(それが似合う人なら、僕はしていいと思っていますが)、スピーチしたり、乾杯の音頭を取ったりしています。

・さて、協会賞、新人賞も、次の二回目の選考委員会で決定し、5月の最終金曜日が贈呈式になります。今年は5年ぶりのパーティーが予定されていて、僕は理事長として初めてそういう場で挨拶をし、賞状を読み上げることになります。乾杯の音頭以上のプレッシャーというか、どんなふうにふるまうかという感じでその場を迎えることになると思いますが、いい意味で偉そうに(堂に入ったという感じで)ふるまうのは似合わないので、僕は僕らしく、せめて「良かったね」という気持ちを込めて賞状を渡せればと思っています。

それにしても、周りの人からみれば、普通に役目をこなしてくれればそれでいいわけですから、面倒くさい奴だなという感じでしょうが、僕自身もそう思います(笑)。でも、今思えば、若き日に見た“長老”たちも、内心は結構いろいろ面倒くさい思いを抱えて、スピーチしていたのかもしれません。