『童話作家になりたい』(中村令子)/第6期オンライン創作教室

講座ブログ

三十年ほど前、ひとりで一生懸命、童話を書いていました。
長いブランクを経て、一年ほど前、もう一度、チャレンジしたいと思いました。今度は、ひとりで書くのではなくて、創作教室(オンライン)に参加してみることにしました。我ながら、英断だったと思います。

毎月一回の提出に追われながら、こんなにも充実した日々を送ることになろうとは、思ってもみませんでした。
もちろん、他の人の作品を読んで、ああこんな風には書けない、どうしてこんな事を思いつくんだろう? 私は今の子供たちの現実を知らなすぎると、落ち込むことはあります。
でも、『このお話好きです』と言われた時、ぞくぞくするほど嬉しくて、『主人公が活躍していない』と言われた時、今まで考えたこともなかった視点を教わりました。一緒に頑張る仲間がいるって、こういうことなんだと思いました。
佐々木ひとみ先生の言葉に、毎回励まされて、自分なりの物語を紡いでいこうと、今、心から思っています。

今回、『おむかえ自転車』で、新美南吉童話賞の特別賞を頂きました。
母が買い物から帰ってくると、家の前で、父が自転車で転んでいたという、本当にあったエピソードを基にして、優しかった父が、母を迎えに行って何をしたかったのかなあ、と想いを馳せて書いたファンタジーです。
天国の両親もきっと喜んでくれていると思います。
表彰式では、『童話作家になりたい』と言う小学生がまぶしかったです。私は、この一言にたどり着くのに、何て遠回りをしたのでしょう。
でも、同じ志を持つ人たちとも会え、審査員の酒井昌代先生から、個人的に講評していただく時間もたっぷりとっていただきました。
遠回りもそんなに悪くないぞ、まだ今からでも遅くないぞっと、励まされた表彰式でした。
物語を書くという、幸せな時間の過ごし方に巡り合えた私は、もうそれだけで、かなり運がいいのかもしれませんが、もう少し志を高く持って、これからも書いていこうと心に決めました。

 

(おめでとうございます! by事業部)

※新美南吉童話賞の結果発表はこちらです。