日本児童文学学校での講評の感想(西川ゆく)/第51期日本児童文学学校
小説を書く時、いつも不安がよぎります。
この文章でいいのだろうか。そもそも、題材は面白いのだろうか。
不思議なのは、この不安は、完成と同時に達成感にかき消されてしまうことです。
消えた不安はどこに行ったのか?
講評で、講師の方の口からそれが飛び出した時は、うなだれるような思いでした。
これでいいのかな、と思いながら書き進めたところや、深く考えずに使ってしまっていた表現をしっかり指摘されるのです。また、自分が考えていた以上のことを突っ込まれたりするものですから、かなり堪えました。
宿題忘れを先生に問い詰められるあの緊張を、今また味わったという気がします。穴があったら入りたいとはよく言いますが、それが自分の作品の穴ではどうも、逃げ場はありません。
とはいえ、終わってみると楽しかったなと思うのです。
自分の小説を他人にしっかり読んでもらうという機会はそうそうありませんから、講評が的を射ていればいるほど、ちゃんと読んでくれてるんだ、と、ニヤけてしまうくらい嬉しかったです。
それに何より、指摘を改めてじっくり考えてみると、作品がもっと面白くなる兆しが見えたのです。完成だと思っていた物語に、その先がある。続きがある。とてもワクワクしました。
実際、書き直してみると、思ったより筆がよく進みました。
不安と向き合ったからか、自分とは違う視点での意見を受けたからか、作品を新たにとらえなおすことができたのかもしれません。
物語が深まっていくワクワクと、同時に少しだけ、既に完成させたものに手を加えるという罪悪感も相まって、書き直しは謎を解き明かしていく探偵のようなスリルがありました。小説って、面白いですね。
言い過ぎでしょうか。でも、自分の中ではそれくらい、初めての講評が良い経験になったと思っています。
悪い点といったら、書き直しをする度に、また講評してほしいと思えてならないことくらいでしょう。
他の方の講評についても、どのような指摘があるのか、それを受けて物語がどう変わりそうか、毎回興味深く聞かせていただいています。
次の講座が今から楽しみです。
(ありがとうございます! by事業部)