日本児童文学 2025年7・8月号

特集 記憶を残すという文化
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わたしたち、人間は、大切なことであっても、時間の経過とともに、徐々に忘れ去っていくものです。しかし、一方で、そのことに抗い、体験、記憶を語り継ぎ、残していくという取り組みもおこなわれています。ノルウェー・ノーベル委員会は、それを『記憶を残すという強い文化』と表現しました。この特集では、だれかに伝えようという意志のもとで書かれた作品を改めて読み返し、その評価を考えます。
目次紹介
日本児童文学2025年7・8月号 ―もくじ―
特集 記憶を残すという文化
《詩》「ナガイダ」……白根厚子 8
《詩》「雨あがりに虹が立つように」……井上良子 10
《短編》「天神の大輔」……最上一平 14
【インタビュー】繁内理恵さんに「戦争」と「児童文学」について聞く
……聞き手・みおちづる 荒木せいお 20
《エッセイ》「「負の記憶」を伝えるということ」……朽木祥 30
《エッセイ》「八〇年目のひろしまで」……中澤晶子 32
《ノンフィクション》「日本原水爆被害者団体協議会 田中煕巳さんとの対話」……指田和 34
《論考》「伝える語り・伝わる語りーー朽木祥作品を通して「伝える」を考える」 ……西山利佳 42
《論考》「中澤晶子作『ワタシゴトー14歳のひろしま』の越え方を『ワタシゴトー14歳のひろしま』
から学ぶーー「原爆を発見する物語」のこれから」……相川美恵子 48
《論考》「指田和の仕事~原爆や震災の記憶をノンフィクションとして残す」……望月芳子 54
《エッセイ》「ガザ虐殺の歴史を追体験する漫画ーージョー・サッコ『ガザ 欄外の声を求めて」
……早尾貴紀 60
《エッセイ》「アートで繋ぐ過去と現在、そして未来」……弓狩匡純 62
《エッセイ》「同じ時代に生きるものとして」……田沢五月 64
◆二〇二五年度協会文学賞発表 66
日本児童文学者協会賞選考経過報告……ひこ・田中 68
日本児童文学者協会新人賞選考経過報告……長江優子 72
◆第二九回三越左千夫少年詩賞発表 76
三越左千夫少年詩賞選考経過報告……星野良一 76
■連載・エッセイ―「児童文学作家を目指すあなたへ」(第四回)…小手鞠るい 78
《絵本時評》…… はらまさかず 82
《児童文庫時評》…… みずのまい 83
《創作時評》…… 北川チハル、中村真里子 84
●追悼「今いるこの地から地球を見る」児童文学作家・和田登
……山崎玲子 91
《同人誌評》……ながいくみこ、西川豊子、山﨑道子 92
◇読者のページ 104
■連載・創作―「行きどまりブックストア」(第四回)…水凪紅美子 108
●ブックラック……90 ●投稿作品賞選評……100
●子どもの本の情報館……98 ●執筆者プロフィール……119