本年5月末に締め切られた中級向け創作シリーズ「新・童話の海」作品募集の選考結果を発表いたします。9月27日、第一次選考通過作の9編を、選考委員による第二次選考で5編にしぼり、最終選考を行いました。今回の応募総数は111編でした。選考委員4名と、ポプラ社の坂井社長、編集部の編集者の皆さんと選考の結果、今回は満場一致で入選作が決まりました。
<入選>
「お昼の放送の時間です」 乗松 葉子
上記入選作のほか、最終選考に残った作品は以下の4編です。
「どこにもないはどこにある」 岩崎まさえ
「最高のモルモット」 こうまるみずほ
「風に音と色を乗せて」 北山千尋
「ちがう部屋のふたり」 土屋恵子
(応募受付順)
昨年は残念ながら入選作がありませんでしたが、今回はひさびさに満場一致で入選作が決まりました。今回の入賞作はリアリズム作品です。人間がくっきりと描けていて、ユーモラスな中にペーソスも織りこまれていた作品です。選考委員会では選考後、近年のさまざまな公募の応募作の傾向などについて話し合いました。そこから応募作への総体的な感想が浮かび上がってきました。
話し合いの内容をかいつまんで、ここに記しておきます。ぜひ参考になさってください。まずは書く姿勢について。達者になりすぎていて、心に訴えるものがない。もっと書くことに志を持とう。頭の中だけで書かない。人間を豊かに描こう。創作のもとになるものについて、じっくり考える。なぜ書くのか、何を書こうとしているのか、そこを明確にする。
来年もまた、すばらしい作品のご応募をお待ちしております。
日本児童文学者協会「新・童話の海」選考委員会
(加藤純子・薫くみこ・那須正幹・西本鶏介)