創立70周年記念公開研究会
~ 児童文学のいま、そしてここから~
敗戦後まもない1946年3月、日本児童文学者協会は創立されました。会結成に参加した児童文学者の多くが、戦時中なんらかの形で子どもたちの“戦意高揚”に手を染めた悔恨と、新しい時代の子どもたちに向けた児童文学の創造と普及への決意を出発点とし、今日まで活動を続けてきました。
この間、書き手や出版社、そして子どもたちに読書の喜びを手渡したいという人たちの願いを背景に、たくさんのすぐれた作品が生み出され、子どもたちに親しまれてきました。一方で、子どもたちをめぐるメディア環境の変化もめざましく、今必ずしも多くの子どもたちが児童文学に親しんでいるという状況にはありません。そして私たちの会が創立70周年を迎えた今、図らずも戦後の再出発の基本理念である憲法の平和主義や立憲主義を否定しようとする動きが、表面化、本格化しています。
この時にあって、児童文学というジャンルを選んだものとして、いま時代とどう向き合い、子どもたちに向けてなにをどう表現していくのか。今年の公開研究会は、会内外の方たちと、そうした基本的で今日的な課題を考えあう場として、設定されました。
記念講演としてお迎えする落合恵子さんは、まさに「戦後」の時代を生きる中で、発信者として、表現者として幅広く活躍してこられ、子どもの本にも深くかかわってこられました。いまわたしたち大人が子どもの本に関わる意味を改めて確認しつつ、三つの分科会では、それぞれの角度から、いまなにをどう書いていくのかという課題を、深めていければと願っています。
書いている方、書こうとしている方、子どもと児童文学の現在と未来に関心をお持ちのたくさんの方た
ちが、この研究会を通じてそれぞれの目指す方向や方法のヒントが得られることを期待しています。
●日 時 2016年10月16日(日)午後1時~5時45分
*12時半開場、終了後6時から懇親パーティー。
●会 場 中野サンプラザ(中野駅北口2分)コスモルーム
●プログラム
〈全体会・定員250名〉 13時~14時半
記念講演 落合恵子「子どもと大人、同時代を生きる~クレヨンハウス40年の歩み~」
〈分科会・定員各80名〉 14時45分~17時45分
A分科会「子どもたちの“いま”を見つめて」
☆報告者 石井英行・福田隆浩・村中李衣・吉野万理子 ★司会 北村夕香
B分科会「私たちは児童文学に何を加えるのか」
☆報告者 いとうみく・樫崎 茜・川島えつこ・斉藤 倫 ★司会 くぼひでき
C分科会「70周年記念出版・<文学のピースウォーク>をめぐって」
☆報告者 今関信子・中村真里子・成實朋子 ★司会 西山利佳
■主催 一般社団法人 日本児童文学者協会
(本事業は子どもゆめ基金助成を受けて実施されます}
◎参加申し込み方法
・Eメールでお申し込み可能です。お名前、ご住所、電話番号、希望の分科会、懇親パーティーへの参加の有無をご記入の上、zb@jibunkyo.or.jpまでお申し込みください。(件名は、「公開研申し込み」としてください)
・くわしいチラシをご希望の方は、協会事務局にご請求ください。
・参加費 1,000円。懇親パーティー参加費は3,000円。いずれも、お申し込み後にお送りする参加証をご提示のうえ、当日受付にてお支払いください。