作品公募

第12回 絵本テキスト大賞 入選発表

第12回「絵本テキスト大賞」入選発表
 

 日本児童文学者協会と童心社は、昨年に引き続き「第12回絵本テキスト大賞」の作品募集をいたしました。応募総数は1245編(Aグレード576編・Bグレード669編)でした。たくさんのご応募をありがとうございました。応募作品は7月から8月末にかけて1次選考を行い、1次選考通過作品としてAグレード18編。Bグレード19編を選びました。9月26日、童心社にて2次通過作品を選び、そこから最終選考に向けて議論いたしました。最終選考に残ったのは、Aグレードは「げんこつごたつ ぽっかぽか」(ししどなな)「かあちゃんの スマホになっちゃった!」(くればやしえみ)「ぺんぎんに、おやつ」(三野誠子)「ママだって、おたんじょうび」(高木木綿子)「みつをおじさんはかわってる」(Zin)「わたし、おばあさん」(カナガワマイコ)の6編でした。またBグレードは「いちばんとおいみち」(山本敬史)「ねこのふどうさんやさん」(よしやまけいこ)「コンビニゆうれい」(えばたえり)「ネコ事務」(宮川優子)「ニンニク忍者ニンニン」(日高あゆみ)の5編でした。議論の結果、今回はAグレード、Bグレード共に大賞はなしと決まりました。優秀賞についてはそれぞれ2編ずつが決まりました。

 

   Aグレード

       優秀賞「みつをおじさんはかわってる」(Zin)

            「わたし、おばあさん」(カナガワマイコ)

   Bグレード

       優秀賞「ねこのふどうさんやさん」(よしやまけいこ)

           「ニンニク忍者ニンニン」(日高あゆみ)

 

 優秀賞を受賞した作品は、それぞれ面白い着眼点で絵本世界を作ろうとしていました。選考会議では今年は大賞を出したいという意欲で全員が臨みましたが、優秀賞に選ばれた作品はいずれも1冊の絵本にするにはもう一歩、何か足りないところがありました。「しかし今後の改稿次第では出版に繋がる作品もあるだろうと考えている」という出版社からの言葉もありました。今回からAグレード1編、Bグレード1編と応募に条件をつけましたが、それでも1245編のご応募。皆さんの絵本テキストにかける想いの強さを感じました。選考の議論の中では、昨年同様、グレードを勘違いしているのでは(Aは2〜3歳向け・Bは5〜6歳から小学校低学年)という応募が多数見受けられました。また今年も意見として出たのは絵本の特性である「ページをめくる」ということへのドキドキ感やリズム感が弱い、読者に伝わるように書いているか、絵本の文章になっていない、小学校中学年向けの作品を書いているように書いている、絵本の文は耳で聞くもの。提出する前に必ず音読してほしい、などの意見や、出版社からは、優れた絵本テキストを求めるコンクールではあるものの、才能発掘ということでは幼年童話の書き手の登場も期待しているなどの言葉もありました。大賞が出なかったのは残念ですが、絵本テキストを書きたい人たちがこんなたくさんいることに励まされます。来年もまたすっかり定着した絵本作家の登竜門であるこの「絵本テキスト大賞」に応募することの意味を考えていただき、ぜひご応募ください。他の誰にも書けない発想を生み出す。そうした意気込みで臨んでいただきたいと願っております。第13回も新しい発想の作品をお待ちしております。
 

◆主催 日本児童文学者協会/童心社

  第12回「絵本テキスト大賞」選考委員

内田麟太郎、加藤純子、浜田桂子、大熊悟(童心社編集長) 

2019/11/09
一般社団法人 日本児童文学者協会

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