作品公募

第9回絵本テキスト大賞 発表

 日本児童文学者協会と童心社は、昨年に引き続き「第9回絵本テキスト大賞」の作品募集をいたしました。今回の応募総数は過去に例を見ない1096編(Aグレード480編・Bグレード636編)でした。たくさんのご応募をありがとうございました。応募作品は7月から8月末にかけて一次選考を行い、一次選考通過作品として、Aグレード26編。Bグレード31編を選びました。9月29日、童心社にて二次通過作品を選び、そこから最終選考に向けて議論いたしました。
 最終選考に残ったのは、Aグレードは「なんでもきんしのやま」(山下みゆき)、「ぶらんこぎいこ」(石本 湖)、「きかんしゃにのって ぼうけんにしゅっぱーつ」(おかなおこ)、「あさがきました おやすみなさい」(丸目 花)の4編。Bグレードは「ブタちゃいますねん いぬですねん」(サイキキキ)、「ちこくのりゆう」(森くま堂)、「よる」(吉田星一)、「まえばちゃん」(川島えつこ)、「ひみつ」(NOBU)、「しずかに しずかに」(なかのゆき)の6編でした。議論の結果下記の5作品を入選といたしました。


Aグレード

大 賞「ぶらんこぎいこ」 石本 湖

優秀作「なんでもきんしのやま」 山下みゆき


Bグレード

大 賞「ちこくのりゆう」 森くま堂

優秀作「よる」 吉田星一
   「まえばちゃん」 川島えつこ

 Aグレードの大賞を受賞した「ぶらんこぎいこ」は、のびやかさがいい。次はどんな風景が来るかワクワクする。ただオチはもう一工夫欲しい。優秀作の「なんでもきんしのやま」は文章が多すぎる。けれど物語としての世界が立ち上がってくる。Bグレードの大賞「ちこくのりゆう」は満場一致で決まった。とてもレベルが高い。いきなりカブトムシになるシーンは思わずカフカを思い浮かべた。優秀作の「よる」は夜に対する感覚がおもしろい。ただもう少し整理が必要。「まえばちゃん」には才能を感じる。幼年童話の方が向いている書き手ではないか。
 今回は公募文には「もっとストーリー性」をということを明記しました。そのことで絵本テキストとしてのおもしろさはもちろん、幼年童話の資質まで類推できる結果となり、新しい才能を感じることのできる貴重な場となりました。来年も第10回の「絵本テキスト大賞」を行います。どうぞ今からご準備ください。

■主催 日本児童文学者協会/童心社

第9回「絵本テキスト大賞」選考委員
内田麟太郎、加藤純子、浜田桂子、大熊悟(童心社編集長) 

2016/11/09
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