那須正幹の歩み

6月6日、広島市（現）西区己斐（こい）本町に、姉二人の長男として生まれる。

広島市己斐小学校に入学。1年の冬休み、肋膜炎になり、生死の境をさまよった。5年生のころ、手塚治虫に弟子入りの手紙を出し、返事をもらう。

広島市庚午(こうご)中学校に入学。剣道部に入部したが、2年の時、新設された登山部に入部する。昆虫少年で読書は苦手だったが、1年生の時『次郎物語』を読み、本のおもしろさを知る。

広島市基町(もとまち)高校に入学。生物部に入部。生徒会活動や平和運動にも参加した。

県立島根農科大学（現・島根大学農学部）林学科に入学。山岳部に所属。卒論は「マツノシンクイムシの天敵防除」。

6月、退社し、帰郷して家業の書道塾を10年ほど手伝う。

姉の竹田まゆみ（児童文学作家）に誘われて、広島児童文学研究会（日本児童文学者協会広島支部）に入会。同人誌『子どもの家』に作品を発表し始める。

第2回学研児童文学賞に応募した「首なし地ぞうの宝」が、佳作入選。（入選は、後の直木賞作家・皆川博子）

『きょうだい』に連載した「天井裏のあした」を、『屋根裏の遠い旅』として、偕成社から出版。

岡村美佐子と結婚。

　『ぼくらは海へ』（偕成社）を出版。登場人物の死を予感させる結末を含め、話題となる。

この年から、「ズッコケ三人組」シリーズが、年2回の刊行パターンとなる。

次男・卓哉誕生。

長女・莉恵誕生。

ズッコケファンクラブ結成（会長・飯塚宣明氏）

次女・安芸子誕生。

『ズッコケ三人組の大研究～那須正幹研究読本～』（ポプラ社）が刊行される。（その後、『　同　Ⅱ』『　同　ファイナル』で、2005年に全3巻完結）

92年に出版した『さぎ師たちの空』（ポプラ社）で、第16回路傍の石文学賞。

前年に出版した『お江戸の百太郎　乙松、宙に舞う』（岩崎書店）で、第35回日本児童文学者協会賞。

前年に出版した『絵で読む 広島の原爆』（西村繁男・絵、福音館書店）で、第43回産経児童出版文化賞。

前年に出版した『ズッコケ三人組のバック・トゥ・ザ・フューチャー』で第38回野間児童文芸賞。

7月22日、永眠。遺言により、全著作権を日本児童文学者協会に遺贈。
10月に、最後の作品となった「めいたんていサムくん」シリーズの3冊目『めいたんていサムくんとなぞの地図』が刊行される。