日本児童文学者協会創立60周年記念出版

《おなはしのピースウォーク》(全6巻)

日本児童文学者協会編  新日本出版社

各巻定価1995円(税込)


◆「おはなし」の力で戦争をイメージする、平和を考える。

さまざまな戦争を、さまざまな形で表現した「新しい戦争児童文学」作品集です。ぜひ、お読み下さい。そして、平和や戦争について話し合っていただければと思っています。

「新しい戦争児童文学」委員会……奥山 恵 川北亮司 きどのりこ 木村 研
                     西山利佳 はたちよしこ 古田足日 最上一平



――日本が敗北して、七、八年たったころのある日、大人になっていたぼくは、突然、子どものとき、中国の地図に日の丸の旗を立てたことを思い出した。ぼくの心の中に、日の丸の旗の下、日本軍の砲弾でこわされた家の壁のそばに立ったり、すわったりしている汚れた顔の中国の子どもたちの姿が浮かんだ。すると、それこそ針でつきさされたように胸がきりりと痛んだ。(中略)
子どものとき、ぼくはなぜ家を焼かれ、こわされた中国の子どもたちのことを想像できなかったのか。当時の少年雑誌や本に、そういう記事、物語がなかったことがその原因の一つだと思う。当時、この戦争はどいうい戦争なのか、またもっと広く深く「戦争とはどういうものなのか」と考えさせてくれる記事、物語はまったくといってよいほどなかった。
今、イラクで戦争はつづいていて、日本の自衛隊もイラクへ行った。しかし、自衛隊がイラクへ行ったのは当然のことだったのだろうか。この本がきみたちの疑問を引き出し、疑問に答えるきっかけとなり、戦争のことを考える材料となれば、実にうれしい。

(古田足日「はじめの発言」より)



第1巻『まぼろしの犬』    絵・北見葉胡

はじめの発言 ……………………… 古田 足日
辛子入り汁かけ飯 ………………… 岡田依世子
しゃもじい ………………………… 中原  光
まぼろしの犬 ……………………… 島村木綿子
おばけイチゴを食べた日から …… 最上 一平
サンタクロースをやめた日 ……… 木村  研
真夏のバトルフィールド ………… 川北 亮司
おわりの発言 ……………………… 西山 利佳





第2巻『扉を開けて』   絵・三村久美子

はじめの発言 ……………………… 古田足日
マルコのサッカーボール ………… 高橋うらら
死んでも言わない ………………… 白川タクト
扉を開けて ………………………… 守田美智子
なぐさめの星 ……………………… きどのりこ
原野の火 …………………………… 後藤竜二
新しい憲法のはなし ……………… 那須正幹
おわりの発言 ……………………… 奥山 恵





第3巻『空はつながっている』  絵・梅田夕海    2006年12月発売

はじめの発言 ……………………… 古田足日
枯れ木林の子どもたち …………… 大浦絵里
空はつながっている ……………… 濱野京子
麦ほめに帰ります ………………… 一色悦子
五つの川柳物語 …………………… 吉橋通夫
黒い馬車 …………………………… あまんきみこ
ぼくらの足音 ……………………… あさのあつこ
未来の少年 ………………………… みおちづる
おわりの発言 ……………………… 長谷川 潮




第4巻『傘の舞った日』  絵・山田花菜

はじめの発言 ……………………… 古田足日
風に ………………………………… はたちよしこ
傘の舞った日 ……………………… 水谷すま子
砂漠の町のタチアナ ……………… 島田和子
幕の向こうに ……………………… 佐藤佳代
一寸の虫にも ……………………… 皿海達哉
トロイメライ ……………………… 村山早紀
やせ馬ポンコの朝 ………………… 加藤多一
おわりの発言 ……………………… 藤田のぼる


第5巻『地球の心はなに思う』  絵・石庭美和

はじめの発言 ……………………… 古田足日
戦争が過ぎたあとに ……………… 高木あきこ
続アンネの日記 …………………… 小川英子
地球の心はなに思う ……………… 今関信子
ぼん平のいなくなった夏 ………… とうやあや
イチイの木のふしぎ ……………… 佐々木赫子
ウトロはふるさと ………………… 李 慶子
次の言葉 …………………………… 長崎夏海
おわりの発言 ……………………… 相川美恵子




第6巻『こすもすベーカリー物語』  絵・松本春野

はじめの発言 ……………………… 古田足日
星 ………………………………… 木暮正夫
こすもすベーカリー物語 ………… 岡田なおこ
ハーモニカ ………………………… 松浦信子
ひぃおばぁとジュゴン ……………… 詩雨ゆず
ビスケットと少年 …………………… 坂本のこ
ひいじいちゃんの戦争 ……………… 砂田 弘
森口朝子の手紙 …………………… 中澤晶子
おわりの発言 ……………………… 森 達也




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